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ヤミと帽子と本の旅人

2002年ROOTより発売された独創的な世界観を持つ作品。
アニメ化もしており名前は既に知っていたが、今更こんな古い作品をやるきっかけになったのは、うにたんとangel beats!のレビューで西田亜沙子さんという方が書いたレビューの話になって、彼女が手がけた作品は大して売れてない作品達なので嫉妬なんじゃないかと言う話題になりまして・・・
別に悪意があるわけじゃなく、確かに言ってることは所々正しいのですが、angel beats!はアニメとして失敗して作品としては成功していると自分は思っています。
なにより売上がそれを物語ってるわけで。そんな細かいところに突っ込んでやるなよ的な話の流れでね。


大幅に話題がそれましたね。
まぁ、彼女が手がけた作品の中にヤミ帽や桃華月憚があり、そこからROOT作品一個くらいやってみたいなと思い検索してみたら、ヤミ帽の初回限定版がなんと980円!安い!これは買うしかないと言うことで今に至るわけですw

ファーストプレイ

時計のカチコチという音と共に、タイトル画面も無く即始まる。
主人公の名前が僕ですごく感情移入しやすそうな感じが凄く好印象。
っとそんなこと思ってたらいきなり猫っぽい着ぐるみ来た男の子が現れた!

アーヤ登場。
白っぽい猫っぽい着ぐるみを来た褐色っぽい男の子っぽい子。・・・っぽいが多いのはよく判らないからw
自己紹介したけどすぐ別れてしまったから良く特徴がつかめなかったけど、かなりマイペースな感じの印象。

初美登場。
亜麻色ロングヘアーのお姉ちゃん。どうも喋れないらしい。
主人公はこのお姉ちゃんにぞっこんらしいが、お姉ちゃんには男の先輩がよくついているらしい。関係は明白にされていないが、主人公はやきもきしている。

ケンちゃん登場。
主人公が飼っていたインコ。
この世界の案内人といった感じか。

リツコ登場。
金髪ウェーブのロング。
喋り方は淡々としているが、怒らせたら静かに切れそうで怖い。
登場シーンからいきなりえちシーンとか・・・

マリエル登場。
銀髪ウェーブのロング。どこかの国のお姫様。
かなりの人見知りで男性と接する機会がなかった為、男性としゃべるのは苦手・・・らしいが、主人公とは普通に話してる。

ラスカレス登場。
ミルカに付き従っている虎。
南の島に来てみるかが一番最初の友達。

セイレン登場。
水色の・・・ウェーブポニーテール・・・?うまい説明が浮かばない。
南の島の住人で美しい歌声の持ち主。性格はしっかり者の様に見えるが、ミルカとのことでラスカレスによく嫉妬の炎を燃やしている。

ミルカ登場。
金色のショートカット。南の島に療養に来ているお姫様。
性格は内気?だが行動はかなりかわいい。
オレ好みなんだが・・・声が無いからモブなんだろうな・・・(泣

メイリン登場。
金髪ショートの狐耳。モミアゲは長め。
巫女装束で関西弁。見た目は少年っぽいらしく、みんなに間違えられてるが女性。
よっしゃーばっちこーい!

藤姫登場。
初美にそっくりの女性。だが喋れる。
非常におっとりした喋り方で天然。


さて、ここまで黙々とキャラ紹介をしているけど、実は既に三世界目です。
中世ヨーロッパの世界、悪魔を召喚できるファンタジーの世界、和風世界の三世界。
その世界の死体に乗り移って、仮の姿としてその世界を動くことが出来る模様。
それぞれが完結する前に新しい世界に連れいていかれるので、どうも釈然とはしないのだが、次々と新しい世界に行けるのは新しい小説を読むようでなかなかに面白い。
また、このゲーム独特の演出としてほとんどBGMが流れません。
状況描写の視点も全て主人公の一次元的な表現なので純粋に小説を読むような気軽さでサクサクと主人公にのめり込めるのもありがたい。

ヤミ登場。
パンフレットから飛び出した、見た目から魔女っ子オーラを醸し出してる女の子。
すべての世界を管理する図書館世界の管理人。
説明をしているときはノリノリだったが、主人公たちが切符無いことを知ると態度が豹変する。

皇蓉子登場。
紫髪の三つ編みテール。生真面目というか堅い性格。
男装をしているが、主人公が乗り移った体の主にいいように言いくるめられる。
そのさまが可愛くていろいろとやばかった。(ナニガ

マウ登場。
銀髪ツインドリルのメイド。
ロボを作ることが出来る発明家。

玉藻の前登場。
メイリンの大人になったバージョンと云えば分かるだろうか?
・・・ち、違うぞ!決して説明が面倒になったわけではっ!(ぁ

ふむ・・・なんか結末が読めてしまったかもしれない。
・・・と思ったらいきなり予想斜め上展開キター!
しかも、なに!?あの時の話はここに絡んでくるの!?

うおおおおお!!?今までのはプロローグだと言わんばかりの展開!
やっべええぇぇおもしれえええ!!!
しかも、ネコミミきたあああああああああ!!!自信を持って勧めよう、これは神作だ!(ぇ

最後がイマイチだったが、全体を通して雰囲気がよく伝わって面白い作品だった。

初美ルート

ストーリはほぼ一本道なのに、CG回収をしていく上でどうしても埋まらない枠が出てきたので、躍起になってきたらまさか個別エンドがあったとは・・・
まぁ、ほとんど共通パートで中間とエピローグが変わるだけなので、特記するような事も無いのだが・・・主人公たちは幸せでも、周りが不幸ですっきりしないエンドでした。

リリスルート

初美ルート同様ほとんど変化する部分はないのだが、ヤミのセリフなんかもぐっときてリリスエンドの方が全キャラ幸せになれてるので自分としては爽やかに終われた。

総評


シナリオ
グラフィック
サウンド
システム
17
6
3
8

シナリオ

まるで小説を読むかのような壮大な世界観と、小気味良いテンポの良いテクスト。ユーザーを飽きさせず最後まで読ませる演出の工夫と本当よく練りこんである作品でした。
途中までまったく読めない設定に初めはやきもきするかもしれませんが、いつしか様々小説の世界に引きこまれ、馴染み始めた頃に覆される事実、そして全てが繋がる世界。読んでて本当にワクワクしました。

最後のパンチが弱いのがネックですが、ファンタジー小説が好きな方には是非とも勧めたい一作。

グラフィック

絵や背景は雰囲気にあっていて凄く良かったです。
ただ、キャラ数が多く苦労しているのは分かるのだが・・・時間の割にCGが少ないように感じましたね。
差分がなかったとはいえ、エロに2〜3枚あるのでそういうシーンには不満はないのですが、一般CGが本当に少ない。
いや、正確に云えば一瞬で終わるようなところにのみ使っているので印象が薄く感じる・・・が正解ですね。
キャラの登場シーンだけじゃなく、もっと普通のイベント面でもCGがあればよかったなと。

サウンド

作中にはほとんどBGMは流れません。
OPとEDあとはえちしーんとリリスのテーマくらいしか流れた記憶がありません。
そのかわり、膨大な量のSEがあります。
そういう意味では演出効果は失ってないかもしれませんが・・・ゲームとしては味気なく感じてしまいますよね・・・

システム

セーブ数100(クイックセーブあり)
既読スキップ可。

システムは非常に軽快でスキップ速度も早く文句は無いですね。
操作面で云えば、ボタンが小さすぎることが非常に難点。
クイックセーブしたつもりで、出来てなかった時はショックだったw

総評

演出面を考えると、ゲームとは言い難い作品ではありますね。
テクストの書き方も意識してか、しないでかはわかりませんが非常に小説チックです。
また、泣きゲー要素や、鬼畜ゲー要素も・・・まったくとは言わないがほとんど無いので、そういう意味ではファンタジー小説が好きな方にこっちの道に勧める入門作品としては適しているかもしれません。
萌え属性を羅列していくと、ネコミミ、狐耳、巫女、チャイナ、魔女っ子、ロリ、メイド、ショタ、メガネ、制服、悪魔っ娘・・・自分で書いてて予想以上に出てきたなw
ついでにプレイの種類も、和姦、レズ、3P、緊縛、触手、乱暴系と意外にレパートリーが豊富。
いろんな属性の方にも愛される一本でした。