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光輪の町、ラベンダーの少女

2010年の激戦月だった6月。あかべぇそふとつぅより発売されたこの作品。
プレイヤーに衝撃を与えた名作『車輪の国、向日葵の少女』の続編ということだが、シナリオライターがるーすぼーいから新人の渋谷ハヤトに代わり、設定的な ものはどうも引き継がれていないような模様。更に云えば『G線上の魔王』のキャラが出てきてるとか・・・(筆者はG線は積みゲになったため真偽は不明
期待と不安が入り交じる正に夏の嵐的作品。

プレイ

鈴木はるか登場。
赤髪ショートカットに髪飾り。主人公の幼馴染でクラスメイト。
成績優秀、運動神経バツグン、容姿端麗。そのうえ性格もいいと来た完璧人間。
八百屋の娘で幼い頃に母親を失って以来、学校と両立してお手伝いしている。
なんでこんな可愛い幼なじみが居て、なんで学校サボるんだ・・・そうか!彼女の気を引くためだな(ぇ

沢村アキナ登場。
青髪のツイン+カチューシャ。主人公の後輩で生徒会役員でもあり、風紀委員も兼任している。
成績も優秀で留学経験もある学園の模範生徒。話やすそうな雰囲気を持っていはいるが、風紀委員という役職も相まってか、1秒の遅刻も許さないきっちりした性格で、さらに口うるさい。主人公にだけかもしれないが。
こいつがぶっこぉすぞ!要因か?(ぉ

桜木ヒカル登場。
黒髪ロング。転校生。
主人公が不良に囲まれてピンチなときに、主人公を気絶させて不良を打ちのめしたラベンダーの香りがする少女。
クールで無愛想。そして時々毒を吐く。
うん、むり。(早っ

栗林なつみ登場。
紫髪セミロング。主人公の担任。
ネチネチと主人公の遅刻のことを責めて来た嫌な先生という印象しか抱けなかった・・・

水嶋登場。
主人公の友人。イケメン、だがちゃらい。
これだけで説明終わる友人って・・・

佐田リコ登場。
亜麻色ロング。主人公のクラスメート。
>>リコ「そうにゃー、こんな喋り方にゃー」
いきなり胸キュンですよ。(殴)たとえ動物と話せるとか電波なこと言っても、こんなの聞いたらネコミミ付けてリコちゃんを飼うしか無いでしょ。(マテ

神山レイカ登場。
金髪ツインテール。財閥令嬢。
男子生徒にソファーごと運ばせたり、レイカ会なるものを作って好き勝手やってたりと正にお嬢様の極みといった性格。
絶対あの角度はぱんt見えてる・・・はっ!?まさかぱんtを見せつけることでひれ伏す男どもを見て興奮s(ぐしゃ

三田登場。
レイカに使える執事。何事にも飄々と構え、主人公を一撃で沈める腕の持ち主。
この人カッコ良すぎる!この人になら掘られても構わない!(ぇえ

暁セツナ登場。
片目を髪で隠した黒髪ロング。星雲学園という名門校で授業を免除されている。
星雲学園で剣術部に所属しており、ヒカル以上にクールなキャラ。しかしヒカルに何かしらの因縁がある模様。

七星樹登場。
緑髪で後ろ髪をアップにしている。青雲学園の剣術部のエース。
セツナとは対照的に明るく活発な少女。主人公に一目惚れした。
なぜか裸足のことの方が多い不思議な少女。

桐生小梅登場。
ライトブラウンのツインテメガネ。星雲学園の剣術部員。
嘘発見器とかナビゲーターとかを開発する発明家。性能はいいのだが、時々爆発する。

右近シズル登場。
銀髪(?)ロングのお嬢様。星雲学園の剣術部員。
あり得ないくらい傲慢でセリフとは別の意味で忘れられないキャラ。
レイカとは仲が悪く、ヒカルとも何か縁がある模様。

さしみ登場。
紫髪のショートにシニヨン。
竜巻とともに現れ、竜巻と共に消えた宇宙人。
・・・おれは認めんぞ・・・あれが人間だなんて・・・(ぇ


とりあえず一章終わりました。
・・・なんだろう、この期待できない感じは。
まぁ、まだ一章ですしね!車輪も一章はそこまで盛り上がりませんでしたからね!
・・・車輪はこの後の作品の展開に期待は出来ましたけど・・・

ふむぅ・・・なんだかなぁ・・・
見事に自分の予想がことごとく当たるというか、伏線が分り易すぎる。
いや、話の性質上こんなところで終わるわけもないんだから、と理解しちゃう自分も大人として嫌ですが、読んでてワクワク感がないんですよね。少年ジャンプ とかでも結果は分かってても過程を楽しませてくれるじゃないですか。ラベンダーにはそれがないんですよね。結果だけならともかく過程すら読めてしまう。
コレが読ませてるであることを願う。
そんなこんなで剣術部を作って二章終わり。
三田さぁんと叫ばずには居られなかった。いや、まじで俺の処女もらって下さい。(マテ
さて、どうやったら三田さんを攻略できるのか・・・(オイ

そして、第三章。
合宿を行い剣術の腕を磨き目指すは地区予選突破。
地区予選突破とか現実味あるような言い方してるけど、言い換えれば剣術の名門校星雲学園に勝たなければいけないんだよね・・・?現実から目を背けてる感が・・・
まぁ、そんな瑣末のことは置いておいて、それぞれの絆を強め、強くなっていく一同。
そんな感じに合宿が終わり、大会直行かと思ったらもう一イベントか。正直大会の結果わかってるんだから早く進めてくれよーとか思ったが、この話は良かった。母は強かった。うん。誰かを、今を犠牲にした親孝行はいらないか・・・良い母親だな・・・
そして、この作品のクライマックスとも言える地区大会。
音楽はかっこいい!・・・んだが、話がご多分に漏れず全部予想の範囲内。大戦カードから、試合の展開。結果までほとんどユーザーに予測できてしまうのはどうなんだ?

そして第三章の終わり。
あまりにそのまま過ぎて声を大にして笑ってしまったw
ネタバレ反転
本来はここでユーザーを欺きたかったんだろうけど、なんというか読めていた。
前作の続編を謳うからには前作の何かしらを引き継いでなければおかしかった。
だから、初めは主人公にメール送ってたのが、森田賢一(前作の主人公)かなと思ってた。ただ、まぁ、途中から水嶋が分かりやすくボロだしてしまったので、水嶋が監視員であることを理解した。
主人公もあからさまに人と食事を取ることを拒否してたし(特に合宿が顕著で義務である確信に変わった)、剣術部関連かそこらで何かしらで最後しょっぴかれるんだろうなって気がしてた。
そんな感じでコレまた自分の予想が的中してしまい、かなり興が削がれてしまった感が否めない。
が、第四章。タイトルで車輪の国の名を語るか。面白い。どう、転ぼうがこれが最後だろう。本作は前作という壁を超えることが出来るか見極めてやんよ。
・・・おもいっきり壁に激突しましたねw
うん、これはねーわ。ぶっちゃけ、何を思ってライターは車輪の国の名前を借りたんでしょう。車輪の名を使ったのは間違いだろう。ここのタイトルが光輪の町だったら俺もここまで突っかからないが、車輪である以上は突っかからずには居られない。
人は歯車。規則正しく回る。一分の乱れも無く一部の乱れもない。それが車輪の持っていた意味だ。そして、この歯車に戻すことが更生だったが、水嶋は主人公を更生させる気がなかった。車輪の一部にする気がなかった。
そして、主人公の孤独も伝わっては来なかった。寂しさも悲しさも絶望も。気がついたら助けられていたという感じ。ここは伝わりにくいからこそもっと時間を掛けるべき点だったと思う。
他にも色々と言いたいことはあるけど、総評の方で語るとしよう。
レイカ様の成長だけには心打たれた。そんな最後。

評価

一応個別ルートもあるんですが車輪同様にないに等しいので割愛して評価へ。

シナリオ
グラフィック
サウンド
システム
6
8
7
9


シナリオ

車輪の国の続編でなければ、或いは3章で終りにしていれば、更に云えば車輪の名を使わないだけでももう少し点数は高くしてただろう。
3章で終われば10点位は与えられた。
ただ、あまりに酷い。前作の続編であることに溺れ、前作の設定について何一つ説明がなされていない。前作をやった事がある人だけを前提に話が作られている。そういった意味でまず作りが不親切。
次にあまりにも前作を舐め過ぎている。
ネタバレ反転
義務というものは絶対だった。特別高等人は候補生でもそれなりの畏れがあった。それに対してこの作品はあまりにも意 識が薄すぎる。何故誰一人として主人公に接することに恐れなかった。何故誰一人として水嶋を畏れなかった。ここらへんの必要要素がなかったのも作品として は欠陥。
ただ、車輪の続編であるという事実を無くしてもあまりにもお粗末ではあるが。
人の心変わりの速さというのは非常に気になった。ヒロイン達にしろ。先生達にしろ。
ヒロインの心の問題が解決しました。それでは仲間に入れてくださいみたいな。最近RPGだってそんな単純じゃないよ。
そして、エロシーンのあまりの適当さ。
部屋に入って少し喋ったら押し倒すみたいな。抜きゲーだってここまで手抜きじゃないよ。
ここらへんのいい加減さが非常に気になった。


グラフィック

非常に綺麗だと思う。肉感とかも非常にエロイ。
ただ、下手でも車輪の続編なら有葉さんをメインに採用して欲しかったというのは心情である。
CG枚数は多くはないかな。ただ、そこまでは長くはなく、カットインとかもあるので気にならない枚数。

サウンド

OPは綺麗ではあるんだけど、ラベンダーかと言われるとラベンダーっぽくない。いや、ラベンダーっぽいってどんな感じよと聞かれても困るところではあるのだが・・・なんか微妙にイメージと違うんですよね。
全体的に綺麗に努めようとして印象に薄い。いや、悪いわけではないんですよ。後からエクストラで聞いてみたら結構いい曲があるんだけど、プレイしているときは本当にあまり意識に残らないというか、メロディが意識に浸透しない。
ただ、プレイしてて心情的には左右されているので多分影響力は強いんだと思います。

システム

不自由な点はロード画面にクイックロードのファイルが存在しないこと。
クイックロードがしたい場合は一度ゲームを開始しなければいけない。
それ以外は処理も早く特に不満に思うような点はなかった。

総評

水嶋のセリフを文字って言うと「お前が今味わっている期待や憂慮・・・そんなモノよりもっと遠大で絶対的な駄作だ」

プレイ時間は時間にして一周18時間位だろうか。個別ルートは殆ど無いに等しいので、好きなキャラのルートだけで十分だと思います。
正直に云えばこんな形の続編なら出さないで欲しかったというのが自分の気持ち。車輪の国である必要が全くなかった。というか、そもそも光輪って何よっていうね。作中では光輪がまったく意味を持ちませんからねw
あとはラベンダーも意味があまりに無い。向日葵の対というか代わりにラベンダーなんだろうけど、ぶっちゃけ香りのある花なら何でも良かったという。せっか くラベンダーという舞台装置を用意したわけだから、それを活かして欲しかった。作中ではメインヒロインの香りと最後にちょろっと出てきたくらい。
少なくとも自分はこれは誰にも勧められない作品ですね。