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家族計画

D.O.から発売されたハートフルコメディアドベンチャー。
ロミオ信者のu-taから早くやれと急かされたのでインストール。まぁ、評判はいいし、結構前から興味はあったので気楽に楽しんでいこうと思う。

ファーストプレイ

行き倒れの中国人女性を拾うところから物語は始まる。

王春花(ウォン チュンファ)登場。
中国からの密入国者。髪型はショートの茶髪。性格は・・・外国語で何いってるかわからんから、よくは理解できてないが、たぶん健気だろう。
何も言うな、俺にすべて任せろ。(ぉ

劉家輝(ラウカーフェイ)登場。
主人公が勤める中華料理屋の店長代理。掴みどころの無い両性愛者。

広田寛登場。
カラスと縄張り争いをしながら路上生活をしていたが、主人公が春花を助けるところを目撃し、不公平だと主人公の家に強引に住み込む。

高屋敷青葉登場。
黒髪ロングの公園で似顔絵を書いている毒舌少女。旅をしている模様。
毒舌キャラに目覚めつつある俺に隙はない。(ぁ

大河原準登場。
赤髪ショートのメガネな同級生。カワイイ系というよりはキレイ系。
危ないクスリを売りさばく女の子。心はお金を儲けることしかないが、少女の写真を見ていると言うことは、昔になにかあったのだろう。

河原末莉登場。
青髪ロングカチューシャのダンボールハウスに住まう健気な少女。荷物の中にはBL物の本が沢山ある。どうしてそんな生活をしているかは不明。
あれ?行っちゃう?行っちゃう?任しとけ!(ぁ

板倉真純登場。
緑髪でウェーブがかったロングのOL。男に騙され自殺しようとしたところを主人公に助けられる。性格は優柔不断。
アウトオブ眼中。(酷

・・・いや、すごい作品だわ。
何がすごいって、見ず知らずの他人と家族を作るという展開がめちゃくちゃなはずなのに何故か話に引き込まれる。
ざっと、家族を形成してOPが流れるまで5時間くらいはプレイしてたと思うけど、ずっと話に惹かれっぱなし。
軽く家族構成を説明すると、父役が寛で母役が真純。子役は上から青葉、準、春花、末莉。それから主人公の七人家族。
突っ込みどころはそれなりにあるはずなのに、有無をいわせない力強さと説得力、それとスピーディーな展開に目が離せない。

・・・話の流れでいきなり末莉のぱんてぃを入手してしまった・・・しかもその後で選択肢で紳士か変態を選ばなけらばいけない・・・
すっごく・・・すっごくっすっごくすっっっごく苦悩した。時間的に8分位検討した。そして気がついた。検討した時点で俺はもうだめなのだと。そして、おれは変態になった。

烏登場。
司と何か通じ合ったカラス。手当をし、飛び立とうとしたところを青葉に撃ち落とされ、ペット(という名の下僕)とされた。
名付け親は司。

久美景登場。
赤髪セミロングの司の二年前の同級生。街中で偶然ぶつかったことが出会い。
うぐいす学園という施設を切り盛りしており、自分もそこの出らしい。
赤髪だからそう思ったのか、声が準と一緒っぽい。
無理ではないが・・・一緒に居た小夜ちゃんの方が可愛かった。(ぁ
どうやら準の肉親らしい。

あー・・・司も困惑してるが、女性の兄弟がいなかった自分にも分からない感情だな・・・
ここら編は性の知識とかでありそうな気もするけど・・・時代の差かね?

小夜ちゃんとデートイベント。
なんで手を繋ぐだけでそんなドキドキなんだ!?俺が変な気を起こすじゃないか!(爆)
そしてあっさり終了・・・な ぜ だ !?(涙)
>>小夜「あ、あの、ええと・・・・・・・・・好き!」
ぐはっ!?や、ヤバイ・・・幼女にどんどん追い詰められていってマスヨ?あまり誘うと性犯罪者になっちゃいマスヨ?(ぇ

>>末莉「おにーさん」
ごふっ!?この作品の幼女陣つえーな・・・
沢村さん→司さん→おにーさん
これは末莉に萌えるとともに、はじめは苗字で呼ばせてたのに徐々に心許す主人公に萌えるぞ。(ぇ

・・・なんか気がついたら終わってた。
結論としては準ルート。
プレイしている途中はどうしてこうなったと不満に思ったが、終わってみたら涙してた。
準の性格の裏側というか、どうしてそうなったかの描写があるんだけど、それが酷い、重い、辛いの三拍子なんですが、家族計画を通して救われるというそういうった感じでしょうか。
「私、人間になれたかな」みたいなセリフもざくっときましたね。えぇ。

末莉ルート

さてさて、末莉が可愛すぎて我慢出来そうに無いので早速攻略しちゃいましょう。

ファーストプレイで気がついたら終わっていたと書いたが、そう思ったのは理由があり、この作品は日常の中に様々な起承転結を織り混ぜている。それゆえ、次 から次へと物語の転や結に浸ってる間に物語は終わっていたと感じたわけです。

そして、そのうちの一つ、末莉は家出をするところが分岐点ようだ。
ファーストプレイ時はあっさりな話だったのにこんなことになるなんて・・・
どうしてかなぁ・・・人ってどうしてこう弱い人や下の人を見つけると虐めるかなぁ・・・
自分の優位性って、そんなに大事か?
しかし、そういう醜い一面を持っているからこそ、高貴なつながりは儚くかくもいとおしく、美しい。

うわ、やっべ。どうしよ。まじかよ・・・萌。(死

うーむ、弱さと言うには幼すぎてかわいそうだが、覚悟がなぁ・・・
擬似とはいえ初めて手に入れた家族のぬくもりだからこそ守りたいのはわかるが、初めの約束からずっとは無いことを示唆していた。そういう意味では覚悟が足りていなかった。酷ではあるがな。
これは大人の責任でもあり、彼女の弱さでもある。難しいな。
しかし、悲痛すぎる。子供は純粋が故に少しの歪みも無く自分の気持を言葉にする。
子供に振りかかる理不尽はもはや災厄でしかなく、ひたすらに叫ぶことしか出来ないから・・・

青葉ルート

さて、お次は末莉ルートでカッコよかった、超絶毒舌女を攻略しましょうか。
準同様、あまり内側を見せないのでどうなるか予測しにくいのだが、どうなることか・・・

ぐぅ・・・今までで一番辛い崩壊だ・・・
主人公のへたれさに末莉の健気さが痛い。前回が末莉ルートだっただけに尚更・・・
下手したら主人公の様な人間になるかもしれない。主人公は自分が捨てられたことを恨んでいる癖に、平気で他人に同じことをしている。あまりに弱すぎる。


設定的には末莉よりいいが・・・展開の辛さと、最後お互いがお互いに依存しあう形になってるのが、どうも危ういというか個人的に気に入らない。
家族というテーマと家族計画の設定的に子供という立場なのであるから、成長して巣立っていく結末の方がいいと思うんだよなぁ。ひどく個人的な意見だけど。
支え合うのはいい、弱さがあるのも仕方ない。でも依存しあって1+1が1になるのはダメだと思う。

真純ルート

あまり気乗りしないが、お母さん役の真純さんを攻略しましょう。
弱さ的に言えば真純さんが一番目に見えて、一番弱い様に思えるので一体どうなるのか。

途中、特に記述する様なことも無く、泣くようなところがある訳では無いんだが、綺麗にまとまってて後味が良い。
・・・あれ?あまり綺麗にまとまりすぎてて他に書くことが思いつかない。(ぇ



春花ルート

u-taから一番いいとお墨付きをもらった春花ルート。彼女は国が違うというだけで弱さらしい弱さがなく、むしろなんでそんなに強くあれるのか疑問なくらい。

いかにも話の集大成というようなシナリオ。
家族全員が家族計画を通して何か得るものがあったということが見て取れて心が温まる。
春花の境遇に心痛め、家族の優しさに触れ、春花の思いに涙する・・・俺はもう満足だ。
しかし、劉さんも司と一緒で不器用生き方で人生を損してるよなぁ・・・

総評


シナリオ
グラフィック
サウンド
システム
19
5
7
6

シナリオ

テンポ良し、結末良し、名言良しと申し分ない。
テキストに癖があるので少し読み手は選ぶ部分があるかもしれないが、初めの強引なノリに付いてこれるのであれば、サクサク読み勧められることだろう。
話も人間としての弱さ、強さ、醜さ、儚さ、厳しさ、優しさ・・・そういった『人』という生き物の在り方というものをテーマにし、ギャルゲーというよりも質のいい小説読んでるような感じだった。

満点にならなかった理由は共通ルートが長いということ。

グラフィック

話の長さに対してCG枚数が少ないし、立ち絵も少ないように感じた。
背景はそれなりに多いのにね。
OPの出来は当時にしては良い。

サウンド

全体的に静かでほのぼのとした感じ。
家族の温かさとかそういう雰囲気は出てるのでこの作品においては重要な演出。

システム

システム操作は右クリックのコマンドという旧式。
セーブ数24。オートセーブなし。
既読スキップ在り。(選択肢でスキップ解除)

既読スキップしようとして、しょっちゅうウィンドウモードからフルスクリーンモードに変更されて少しいらいらしたが、バグがあったわけでもなく、2000年前のシステムってこんなもんだったという事で仕方ない。

総評

最近の作品みたくグラフィックもさほど綺麗ではないし、操作性もそれほどよくはないけど、それでもおすすめしたい。さすが高い評価受けている作品だと納得しました。
個人的には準ルートが一番おすすめですが、u-taが勧めてる春花の話もかなりいいです。この二人の話の出来は他キャラと一線を画しています。
家族の団欒に心が温まり、人のささやかな優しさに涙できる・・・そんな心癒される作品でした。