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プリズムリズム

ランプオブシュガー5周年にして、第5作目というなんともキリのいい作品。
5月下旬は注目作品が多くギリギリまで悩んだが、マスコットであるアズさまの従順なる下僕のひとりである自分は裏切るわけにも行かないので、最優先に購 入。
今作も安定した話に期待。

ファーストプレイ(エルスルート)

人々が自分たちの手で水を汚染し、種の絶滅に追い込まれた時、スプリングスノーと呼ばれる木が生え、水を浄化し人々を救った。

それから100年後の世界。

今でもスプリングスノーの恩恵の得られる袂で生活し、春の開花の時期に合わせて大樹を祝うお祭りを開かれている所からこの話は始まります。
ちなみにスプリングスノーという名前は、春に花びらが雪のように舞い散る様子からつけられた模様。

主人公は祖父の話していたスプリングスノーの森には妖精がいるという話の真偽を確かめるべく、普段は入れない森に警備が手薄な祭りの時期に潜入する。

キャロライン・マリーゴールド登場。
森の最奥で出会った女性。亜麻色のウェーブ掛かったロング。子どもっぽい様な仕草をするものの、発言はどこか達観した所もあり、服装と相まってこの人が妖 精なんじゃないだろうかと思わせる。
珍しくお姉さん系で当たりを引いたが、攻略キャラじゃないんだよな・・・

水音銀登場。
焼きそばの屋台の前で葛藤していた銀髪ロングの少女。
口下手な少女だが、物凄い大食らい。何となくだが小動物っぽいイメージ。
アズのいないクルルなんて・・・(ぇ

土岐遠カスミ登場。
紫髪にこれは・・・サイドテールにも見えるし、ワンサイドだけ髪が長い様にも見える。主人公の従姉妹だがお姉さんっぽい立ち位置で心配したり怒ったりと ちょっと苦労性。
目標にひたむきに努力できる一面があり、努力に結果が伴なう事を教え、主人公の決意の支えになる。


一気に情報が渡されたので整理。
世界を救った大樹に祈りを捧げる舞手の事をベルティナといい、カスミはこれを目指している。
ベルティナの最上位にエルディスと呼ばれる人が居り、エルディスには6人しかなれない。そして森で会ったキャロラインはこのエルディスだという。
そして、主人公はキャロラインの舞を見て感銘を受けたのと目標のために、同じ聖職に着こうと決意する。

そして半年の努力で周りには無理といわれた、超難関のベルティナ学院の編入試験に合格し、夢への一歩を踏み出す。

エルステリア・マリーゴールド登場。
キャロラインの妹で同じ亜麻色ロングだが、彼女はストレート。容姿がほとんど似ている為、よく姉と間違われるらしい。
姉より落ち着いた印象でしっかり者。エルスと呼ばれている。
新妻になったら可愛いだろうなぁ・・・(ぉ

京司登場。
入寮直後友人になったらしい。
音楽に熱中しており、自分で作曲をしたりしている。

リア・ベルリオーズ登場。
緑髪ショートツイン。自称「奸智の申し子」なお調子者。
祭りの日にいろいろ教えてくれたり、学校を案内してくれたりと意外と世話焼き。
うちのサイトのバナーがこの子なことからわかるように、現在一番狙いはこの子。

ステッチ登場。
学院でメイドをしている茶のショートボブ。
恭しい態度で仕事もきっちりこなすメイドの鏡。しかし男の子。
ちょっと虐めたくなる可愛さ。(マテ

バビィ登場。
学院の執事長・・・うむうむ言ってるだけのふくろうですが。
アズの座を奪おうとする不届き者め!(ぇ

ユナハ登場。
黒髪のボブ。ただし、モミアゲだけは長い。
リアのバイト先に来たベルティナ。落ち着いた仕草で大人の女性という雰囲気がムンムンと。

各キャラごとにイベントが割り振られて日常が過ぎていくスタイルかな。
選択肢的にもわかりやすいし、とりあえずメインヒロインのエルスから攻略しますか。

どうやらユナハさんはロリコンらしく、銀がつぼで猛烈アタックを仕掛けてる・・・が鼻血垂れ流しながら迫るのは怖いからやめた方がいいと思うwww
というかロリ力ってなんですかロリ力ってwww駄目だこの人www

ミルレイス・スノー祭に向けて合宿することに。
学院からも代表者が舞えるということで、おそらくこの祭りが物語のターニングポイント、またはクライマックスか。

製作者絶対狙ってるだろこれw
ステッチさんに裸ワイシャツとか破壊力高すぎです!しかも女の子座りで肝心なところはしっかり隠れてるから想像が・・・
これではユナハさん男バージョンに俺がなってしまう!(オイ

エルスがデフォルメした絵を書くシーンがあるんだが、リアが猫なんだよ!猫!
わかってるねー、俺もキャラ紹介見たときから猫っぽいと思ってたんだよねー。
まぁ、そんな不純な動機でリアが一番目当てなわけなんですがw

無事エルスが学院代表に選ばれて小さいながらもお祝いを。
二人の意識が変わるような場面だったんだけど、セリフが安直というか・・・もう少しうまい言葉まわしをして欲しかったかなぁ。
ぬあっ!?ボートデートいいなぁ、おい!男は船を漕いで手が使えないから彼女にあーんしてもらえる。しかも船の上二人きりの空間・・・意外に効率的だ。 (ぇ
くあぁ!甘い、甘すぎるっすよ!いや、もう角砂糖をそのままなめさせられてる様だ。

ふむ、随分引っ張ったが問題らしい問題は割と早期に解決されてしまったから、後半はエロのための間というちょっとシナリオの流れ的にはバランスが悪くなっ ていたが、最終日の演出と結末は想像が広がって楽しい。

カスミルート

主人公のお姉さん的な立ち位置の従姉妹であるカスミさん。
キャラ的には一番気が乗らないのだが、一度話を通してみると、実は彼女が作りこまれてるのではないかと思ったので、手早く攻略してしまいましょう。

カスミが熱で休み看病をすることに。その時のふとした事をきっかけにお互いを意識するようになる。
いいお姉ちゃんのままで居ようと必死に頑張ってる姿のカスミさんが見てて辛い。

>>カスミ「・・・・・・ずっと、好きでした」
・・・あれ?動悸が・・・(ぁ
予想以上にリアクションが可愛くなったというか、消え入りそうなかすれた声でこんな風に告白されるとは思わなかった。
もう,お姉ちゃんの貫禄なんてなくて、一人の女の子ですなぁ。(ぉ

バビィさんキャラ狙いすぎだろw
これは本気でアズの座が危ないwww

障害らしい障害はなかったのだが、物語の見せ方が上手い。
この物語のテーマである「私に見えているものは、あなたにも見えますか?」と「Welcom to the world with kindness!-優しさに結ばれた世界へようこそ-」この両方を上手く表せていて、最後の演出と言葉まわし、それとそこまでのキャラクターの夢がつな がっていて、気がついたら頬を温かい汁が伝い落ちていた。

銀ルート

カスミのことが大好きなクールロリ。
ユナハ先生が居る以上、ギャグ路線でくるようにしか思えないが果たして・・・

初めのうちはじゃれてるだけ―――そのじゃれ合いも兄弟みたいで微笑ましいのだが―――気がついたら相手のことを好きになり、どうすればいいか戸惑 う・・・うむー!超純愛じゃの!(ぁ

初めは大人しかったユナハ先生も徐々に暴走していって、だんだんいい感じにw

ふむ・・・カスミのあとのせいか、いまいちだったな・・・
自分でなければならないと主人公が思うほどに、銀と触れ合ってたかも少し疑問ではあるしな。
ちょっと焦りすぎた感が否めない。

リアルート

さて、奸智の申し子ことリア・ベルリオーズルートに行きましょう。
本人にベルティナに対する熱意が薄い様に見えるが、それがどう話を盛り上げるか見物。

ふむ、ある程度予想通りの展開になったな。
ミルレイススノー祭でイベント企画するが、自分が代表に選ばれてしまい、イベントの為にそれを辞退してしまう。
そしてそれを境に舞踊をやめ、イベントに没頭するが舞踊を客観的に見る立場になって自分が本当は舞踊が好きだったと気づく。
個人的にはもう一盛り上がりあっても良かったと思う。というか、あそこまで含ませたんだからさせるべきだろ。
準備があると言って朝出ていったかすみが実はこれの準備をしてたとかだったら感嘆の声を上げていたと思う。
そう考えると惜しい・・・
しかし、心情の描写は一番うまかったかな。
決意表明のシーンとかは、本気で舞踊と向き合う覚悟をしたんだなと思わせてくれる。

エクストラ

さて、4キャラクリアしたらタイトル画面のBGMが変わった模様。
作中BGMのメドレーかな?これは。自分の聞き覚えがあるものだけで3曲。分からない場面もあるからもっと複数の曲がつなげられてるかな。

エクストラの舞台設定は2年後。卒業後のベルガモ・デ・モンド祭の最終日。
いろんなキャラから視点で今の関係や気持ちが語られていく。
バビィさんかっけぇ!本編のギャグ要員がどうしてこうなった!!
ア・・・アア、アズ様キタアアアアアア!!!
まぁ、アズ様が出ないわけないと思ってた・・ぜ!?ちょw銀のアズに対する扱いがクルルのそれと大差ねぇwww
アズ様に死んで詫びろし銀!!・・・あぁ、でもなぜだろう・・・なんか俺の知ってるアズ様が帰ってきたような、そんなそこはかとないノスタルジー。(ぇ
ユナハ先生の暴走っぷりが一段とスゲェwテキストウィンドウにセリフ入りきってないじゃないかwこの世界に性犯罪と言うものは存在しないのかw

ここでもか!?ここでもなのか!?
カスミだけが一人見ているものが違いすぎる!そしてそれを実現できるだけの実力を努力で勝ち得ているというのだから、彼女の生き方というのは賞賛に値す る!
だよね!だよね!ずっと呼び方も気になってたんだよ!やっぱり俺の思い違いではなかったか!
うわああああ!?なんだろう興奮が止まらない!
キャラは好みではないが、彼女の話だけは一人冴えすぎている気がする!

しかし、なんかいきなり超展開。
いきなりまだ開花していないスプリングスノーの花びらが舞ってきたかと思うと、キャロラインに呼ばれたとか言って、スプリングスノーの森へ。
そこでまさかのエルスと邂逅。どちらかが行くかで選択肢。
エルスルート見ちゃうと自分が行く気にならないと思うのに、この選択肢は意味あるのだろうか?当然エルスを送り出しました。
カスミの舞踊前にエルスが合流してきたが・・・なんか含みある言い方なのが・・・

しかし、落とすところはしっかり落としてくれた!ED曲の入りバッチリじゃないか!
すげぇ・・・曲のイントロが良くて言葉が綺麗で・・・胸が温かさではちきれんばかりです。
本当に優しい世界に招待してくれてありがとう!!

評価


シナリオ
グラフィック
サウンド
システム
15
9
10
8

シナリオ

ヒーリングアドベンチャーの名は伊達ではなく、水と自然を舞台にした世界観で、BGMと相まって非常に優しい雰囲気が感じ取れました。
個人のシナリオ自体は非常に薄味です。最後にもう一つ山場があるかな?と思わせておきながら実は最後まで何も無いと言うのが、全キャラ共通。
舞踊の表現が月並なのもイマイチだと思ってしまった。
しかし、個人的にはカスミのシナリオが非常にツボで、あなたはいったいどんな世界を見ているのだと驚きが隠せなかった。
それと一番最後に現れるエクストラの重み。
あれをキャロラインの話としてみると非常に蛇足に思えたのだが、エクストラを見た後エルスの話をプレイしたら全然違ったものに見えてしまったので、キャロラインの話として見るか、エルスルートの補足としてみるかで違う見方になるのではないでしょうか。
ただ、個別ルートで折り合いつけた主人公が、エクストラの世界の主人公がプー太郎なのはいかがなものか・・・
エクストラの話が一番どのキャラにもやさしくないというね。

グラフィック

自分的にはランプだったら萌木原ふみたけさんの方が好きなのですが、たにはらなつきさんとせせなやうさんも非常に綺麗な絵を描いていますねー。
一回目のエルスとのエッチシーンの一枚目とか破壊力が高すぎるでしょw
CG、背景共にプレイ時間の割には結構な量がありますし文句なしです。

サウンド

OPがまた空耳で話題になってたが、個人的には結構ありだと思ってたり。
EDもキャラごとに用意されてる気合の入り様。
タイトル画面のBGMからなにか惹かれるものがあったが、作中も良曲揃いで久々にサントラが買ってもいいと思ったレベル。
しかし、ファンクラブ限定と言うね・・・一般販売してくれないのだろうか・・・

システム

セーブ数100。クイックセーブ数10。(シーン名はあるがコメントは付けられない)
テキスト表示や既読スキップなど基本的な設定も可能。
右クリックのコンフィグ呼出のアクションを消せるのも嬉しい。
おまけでCGの差分数とか分からない。
また、そのCGの差分が終わったら次のCGに行くのではなく選択画面に戻ってしまうのも個人的には不便なように感じた。
ただ、おまけで背景とか立ち絵の確認ができるのもレビューしてる自分からすればかなり嬉しかった。
ゲームプレイ中で不便に思うようなところは特になかったかな?

総評

絵にしても音楽にしても作品を彩るスパイスは一級品です。
シナリオはありふれたものなのですが、世界観に合わせて綺麗に仕上げてきましたね。
リアの感じたベルディナ舞踊の楽しさ。カスミが見る優しい世界。エルスとキャロラインの描く妖精の姿。
特になんども言いますがカスミの見てる世界に自分は驚嘆させられました。えぇ、本当に。
銀?・・・あぁ、そんな子の話もあったね。(マテ
正直ここまで自分の中で感動を呼び起こされる作品なるとは思ってなかったというのが素直な感想。