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魔道


以前紹介した魔王勇者を覚えているだろうか?
今回もまたネットから頭角を表したアマチュアを見つけて、是非とも知ってもらいたいと思ったので記事としてまとめました。

中世ヨーロッパ風ファンタジー『魔道

BMSを探してさ迷ってたら偶然見つけたweb漫画なのですが、実は既に漫画でリメイクされているメディアミックス作品だったりします。
初めの画力に関しては下手したら同人の方が上手いと思うレベルですが、作者も回を増すごとに徐々にうまくなっていき、後半は週刊誌レベルくらいのものを書いて居ると思います。(絵に関しては筆者もそれほど上手いわけではないので適当なことは言えないのですが・・・w)
この漫画の凄いところはキャラクター一人一人にある苦悩を事細かく描いていること。そして、その苦悩が物語を動かす力になっていること。
例えば、主人公ふたりを紹介すると・・・
ブラウン―――ラミート王国に仕える5人しか居ない魔道士。預言者が 「災いをもたらす魔術士が生まれる」と言い遺し、王の命令でその魔術師を探す旅に出る。しかし、自分が偶然接触してしまった女の子に眠っていた魔力を呼び 覚ましてしまい、しかもその女の子が予言の人物であった。自分が居なければ女の子はこんな力に目覚めなかったと自分を責めることになる。
リント―――災いをもたらすと予言された力を持つ女の子。彼女は両親 に捨てられ、ガン爺とギン婆に拾われるも、リントに優先して食べ物を譲ってしまったので二人共死んでしまう。二人以外にも大勢の死を目の当たりし、ブラウ ンと接触して得てしまった魔物起しの力で、近隣に様々な被害を招いてしまい自分を咎人と重い枷を抱いてしまう。

と、まぁ、二人の紹介を見るだけで壮絶な展開が予想されると思いませんか?
彼ら以外の魔術師も過ぎたる力を持ってしまったことで、常人には理解されることのない苦痛を抱き、人間には理解されず、恐怖と政治の道具として扱われる。
そして、リントの力を使って邪神を復活させようとする悪霊デギの存在が物語に緊張感とスピードをもたらしてくれます。
そして、こんなダークな感じのこの物語の最後のメッセージに自分は言葉が出なかった。
>>「忘れるな、いつか必ずそれは来る」
多分コレは読んだ人によって解釈は違うのでしょうが、自分には人間は弱肉強食の頂点で驕っていると、太刀打ち出来ない事が来るぞと警告しているように思えました。
それは自然災害だったり、環境破壊だったり・・・そんな壮大な言葉を物語の中に埋め込むことの大変さは、趣味の物書きとしてよく理解しているつもりです。
だからこそ、漫画として絵を書き、物語としてここまでの作品消化させたパーダさんは凄いと思いました。